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2025.04.11

滋賀と京都をつなぐ遺産に触れる「びわ湖疏水船」


今もなお、琵琶湖から京都へと水を運ぶ人工の運河・琵琶湖疏水。かつては大津〜京都〜大阪を結ぶ舟運のルートとしても使われたこの水路に、2018年に復活した観光船に乗ってみませんか?
ルートは琵琶湖から京都・蹴上まで。屋根が透明な開放感抜群の船に乗り込み、春は桜並木や菜の花、初夏は青もみじと、疏水沿いに続く四季折々の景色を楽しみながら、約80〜130分の船旅です。

琵琶湖と疏水の水位差を調整する、水のエレベーターのような閘門(こうもん)や、トンネルの出入口を様々なデザインで飾る洞門、レンガ造りの旧御所水道ポンプ室など、レトロ建築好きにはたまらない産業遺産の数々も見どころ。
モダンな建築物や明治を代表する政治家たちが揮疏した扁額から、当時の面影を感じることができます。

琵琶湖疏水が造られたのは、事実上の東京遷都で京都の人口が激減した明治時代。第三代京都府知事に就任した北垣国道が計画し、1885(明治18)年に着工。当時の京都府の年間予算の約2倍という巨額の費用に、約5年という歳月を費やした一大プロジェクトでした。
舟運は1890(明治23)年の第1疏水の完成後に始まり、資材の運搬や旅客で賑わいましたが、自動車や鉄道の急速な発達で1951(昭和26)年9月を最後に終了。その後、市民生活や産業・文化を支えてきた琵琶湖疏水建設の意義を多くの方に知ってもらいたいと、2018年に本格運航を開始したのが「びわ湖疏水船」です。

船旅の行き帰りには、大津港乗下船場や三井寺乗下船場の周辺を散策するのもおすすめ。創業350年の老舗酒蔵・平井商店の日本酒や三井寺力餅本家の力餅など、お土産にぴったりな名品もそろいます。
足に自信があるなら、三井寺の参詣道としても使われた「小関越え」の京阪三井寺駅から四宮駅のルートを歩いて船旅を振り返るのも面白そうです。
春から初夏の特別なおでかけに、歴史に想いを馳せる船旅を計画してみては。


トンネルの中から見える桜並木は圧巻の美しさ


4月は桜、5月からは青もみじなどの新緑が楽しめる


防火用水を御所に送っていた旧御所水道ポンプ室は、建築家・片山東熊が設計

<営業データ>
2025年春シーズン運航期間/3月27日~6月8日(運休日あり)
住所/大津市大門通地先(三井寺乗下船場)/京都市山科区(蹴上乗下船場)
ほか、山科乗下船場・大津港乗下船場(今シーズンの発着は終了)もあり
電話/075-365-7768(びわ湖疏水船受付事務局)
完全予約制、8,000円(三井寺〜蹴上の場合。料金は日程や乗船区間により変動)。詳しくは公式ウェブサイトをご覧ください
駐車場/なし

「びわ湖疏水船」の情報は▶こちら

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